動物福祉について|日本動物福祉協会の活動は、全て会費とご寄付で成り立っています

動物福祉について

動物福祉協会の活動方針

当協会は、1956年の創立以来一貫して「日本の動物福祉向上」を理念として、全ての動物に対するあらゆる虐待を防止し、人間と動物とが共生する平和で豊かな世界を築き上げて行くことを目的として活動して参りました。その間においても世界を取り巻く環境は大きく変動し、時代の変遷とともに動物福祉に求められる社会的要請やニーズは変化しています。 昨今のSDGs(持続可能でよりよい世界を目指す国際目標)の潮流は、動物福祉の分野においても、より多角的かつグローバルな視点や知見を踏まえて物事を判断することや政治的、文化的に中立を保つことの重要性が求められております。また人と動物の共生の在り方は、今や人獣共通のOne Welfareの考え方が世界基準となっております。このような潮流を踏まえかつ先取りし、今般当協会は動物福祉活動の方針を以下の通り全面的にアップデートいたしました。

動物福祉理念と取組み方針(改訂後)

1.当協会は公益法人として、人と動物の共生する、より良い福祉社会「One Welfare」の実現を目指しており、設立当初から日本の動物福祉の向上を目標としている。また、当協会は、国の内外を問わず、政治的・文化的には中立の立場を堅持する。
2.動物福祉とは、人を主体とした主観的な動物愛護と異なり、動物の観点からみて、その「動物」が必要としているもの(ニーズ)を満たすことである。つまり、動物たちの不必要な苦痛を取り除き、動物が肉体的にも精神的にも十分に健康で幸福であり、環境にも調和していること、すなわち動物の生活の質を向上させることといえる。
3.具体的には、動物福祉学を含む科学的・客観的かつ多角的視点からの知見を踏まえて、人間の保護・管理下にある、いかなる動物も、その動物が持つ本来の生理・生態・習性に合った快適な生活環境を享受し、健康で心身に苦痛の無い生活を送ることができるように飼養されることを目指している。そのため、動物福祉が配慮されていれば、動物の人間への利用は否定していない。
4.尚、当該活動方針については、時代の変遷や社会の要請を踏まえ、定期的に見直しすることとする。

動物福祉とは

【動物福祉】とは一言でいえば、「動物が精神的・肉体的に充分健康で、幸福であり、環境とも調和していること」です。
自分の気持ちの思うままに、気の向いたときだけかわいがることは、動物福祉が満たされているとは言えず、「かわいがっている=福祉に配慮している」とは言い切れないのです。

動物も人間も命あるものであり、感覚があります。人間以外の動物の基本的ニーズ(生理的、環境的、行動的、心理的、社会的)は人間と共有しています。飼育下あるいは人間によって制限された環境にいる動物たちは、これらのニーズを自身で充たすことは出来ません。ですから、人間にはそのような動物ができる限り快適に、できる限り苦痛をうけずに生活できるようにする義務と責任があります。

国際的動物福祉の基本(5つの自由)

1960年代の英国で、家畜の劣悪な飼育管理を改善させ、家畜の福祉を確保させるために、その基本としてこの「5つの自由」が定められました。 現在では、家畜のみならず、ペット動物・実験動物等あらゆる人間の飼育 下にある動物の福祉の基本として世界中で認められ、EUではこれに基づい て指令が作成されています。

英国では動物福祉法2006の第9条「福祉を保障するための動物の責任者の 義務」としてこの「5つの自由」を「動物のニーズ」という形で条文に書 き込まれています。また、世界獣医学協会(WVA)においてもその基本方針の中に謳いこまれております。

5つの自由(5フリーダム)福祉の基本

1.飢えと渇きからの自由
  • その動物にとって適切かつ栄養的に十分な食物が与えられていますか?
  • いつでもきれいな水が飲めるようになっていますか?
2.不快からの自由
  • その動物にとって適切な環境下で飼育されていますか?
  • その環境は清潔に維持されていますか?
  • その環境に風雪雨や炎天を避けられる快適な休息場所がありますか?
  • その環境に怪我をするような鋭利な突起物はないですか?
3.痛み・傷害・病気からの自由
  • 病気にならないように普段から健康管理・予防はしていますか?
  • 痛み、外傷あるいは疾病の兆候を示していませんか?
    そうであれば、その状態が、診療され、治療されていますか?
4.恐怖や抑圧からの自由
  • 動物は恐怖や精神的苦痛(不安)や多大なストレスがかかっている兆候を示していませんか?
    そうであれば、原因を確認し、的確な対応が取れていますか?
5.正常な行動を表現する自由
  • 動物が正常な行動を表現するための十分な空間・適切な環境が与えられていますか?
  • 動物がその習性に応じて群れあるいは単独で飼育されていますか?
    また、離すことが必要である場合には、そのように飼育されていますか?

リーフレット「動物福祉ってなぁに」

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